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私を見ないで
第5章 それから



私の部屋は、お姉ちゃんの娘が使っていた。
あんまり変わって居ないかつての自分の部屋で、姪っ子がアルバムを広げた。


何年ぶりだろう。私のアルバム。
赤ちゃんの頃から始まるアルバムは懐かしく、何となく他人を匂わせて。


その中の1枚。
広げたピクニックシートの上で。
お弁当を広げた私と男の子の写真。
ツインテールにしている私。リボンをしていて…


「あれ…」
何か気になる。このリボン。


「あっ!!」

姪の手にあったアルバムを奪って、ページを先に進める。
止まったページは、小学校。林間学校最終日の登山口。
仲良しの友達とピースサインで写る私の体にぶら下がった水筒に結んだリボン。

よく見ればこのリボンが、小さな私が付けているリボンだ。

幼稚園の私が付けていたリボンが、時間を越えて水筒に。
誰が?水筒に結んだの?

もう一度幼稚園の、男の子と一緒の写真を見つめた。

お弁当を食べてる途中の写真。
私はカメラ目線で、男の子はそっぽを向いている。
でも、その男の子の手は、広げたお弁当の脇で私の手を繋いでいる。
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