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第11章 想い愛

　「先生の作品を熱心にアピールされた方ですものね！
『とにかく、読んで欲しい！』と先生の作品に毎回コメントやレビューを残されてますよね。
不思議な事にそれに惹きつけられて読んでみようかと思いました。
それがご縁となって、私もこうして先生にお会い出来たわけです。
売れる、売れないは出版してみないと分かりません。
私は仕事に関しては、かなりギャンブラーな方なんです。
ドキドキや賭け事が好きなんです。
先生の本を世に出すのは、ぶっちゃけ私が仕掛けるギャンブル。
どうなるか？
結果が出るまで楽しみにしてます」


　「有難う御座います。
私も駆け出しの作家にしてはギャンブラーです。
仕事を辞めてでも、自分なりの渾身の作を残してみたかった。
今回のチャンスは逃したくないと強く願いました」

　「願いが叶うといいですね！
私もギャンブルは勝ちたい方です。
先生、また追ってご連絡致します。
わざわざ足を運んで頂き、有難う御座います」　　　

　江添はまだ芽も出てない新人作家の私にも礼儀正しい言葉や適切なアドバイスをし、やる気を削がないやり方で対応してくれる。
出来る女性と感心してしまう。

　私も深々と頭を下げ、出版社を後にした。