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続「辿り着く 先には」
第6章 『再会』
身体の芯から火を灯される様だった。魔王の炎が自分の中に入り込んで、全てを焼き尽くしてしまうのでは無いかと本当に思った。心の底から、この人を欲しいと思い、心の底から憎んでもいた。
与えられた快楽を欲しがって体がおかしくなってしまうのではないかとこの二ヶ月、思っただった。もう、完全に魔王に囚われていることを分かりながらも心の奥底で、まだ逃げてしまいたい自分も要ることを知っていた。
深い愛を望みながらも、それが手に入ると恐ろしくてならない。それが愛と憎しみを産む、アンビバレンツはそうして自分と心を蝕むのだ。触れられる全ての場所が熱い。堪らなく熱くて、かきむしりたくなった。
その手を捕まれる。強く意識を引き戻されて。再び唇を塞がれた。
「僕を見て、絢音。そして、その愛と心にある冷たい憎しみも全て僕に向ければええ。僕の支配の中に、全てを奪われて何も感じなくなればええ。愛してる、絢音。今だけはこの腕の中で鳴いて、悲しいことは忘れてしまえ。」痛かった想いも、辛かった気持ちも、孤独も全てを今、この腕の中でだけは忘れられた。このま、身体が溶けて二人の魂だけが混ざって浮遊ができたらと本当に強く願った。
何もかもを捨ててしまいたい、それが逃げだと分かっていても。それが、出来ないと分かっていても・・・強く、強く愛していた。叫んでしまいたいほどこの人を。この、悲しく冷たい魔王を・・・
「愛してる、愛してる、聖。今だけは貴方の物で。」
「絢音は僕の一生の奴隷だよ。愛してる。」
二人の吐息と声だけが、部屋に響いて魔王の作った完全空間の中で時は止まるのだった。ゆっくりと外は夜の帳が降りる。夏の暑い夜が二人の心を包むようだった。
与えられた快楽を欲しがって体がおかしくなってしまうのではないかとこの二ヶ月、思っただった。もう、完全に魔王に囚われていることを分かりながらも心の奥底で、まだ逃げてしまいたい自分も要ることを知っていた。
深い愛を望みながらも、それが手に入ると恐ろしくてならない。それが愛と憎しみを産む、アンビバレンツはそうして自分と心を蝕むのだ。触れられる全ての場所が熱い。堪らなく熱くて、かきむしりたくなった。
その手を捕まれる。強く意識を引き戻されて。再び唇を塞がれた。
「僕を見て、絢音。そして、その愛と心にある冷たい憎しみも全て僕に向ければええ。僕の支配の中に、全てを奪われて何も感じなくなればええ。愛してる、絢音。今だけはこの腕の中で鳴いて、悲しいことは忘れてしまえ。」痛かった想いも、辛かった気持ちも、孤独も全てを今、この腕の中でだけは忘れられた。このま、身体が溶けて二人の魂だけが混ざって浮遊ができたらと本当に強く願った。
何もかもを捨ててしまいたい、それが逃げだと分かっていても。それが、出来ないと分かっていても・・・強く、強く愛していた。叫んでしまいたいほどこの人を。この、悲しく冷たい魔王を・・・
「愛してる、愛してる、聖。今だけは貴方の物で。」
「絢音は僕の一生の奴隷だよ。愛してる。」
二人の吐息と声だけが、部屋に響いて魔王の作った完全空間の中で時は止まるのだった。ゆっくりと外は夜の帳が降りる。夏の暑い夜が二人の心を包むようだった。