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続「辿り着く 先には」
第8章 「破壊」
背中をさすって、呼吸を整えさせる。驚いた顔をして聖を目にしている絢音の唇を奪ってゆっくり空気を流してやった。何故、こんなにまでの強い愛と憎しみのような感情を持っているのだろうと絢音は考えていた。本当に息の根を止められるならもう、とっくにそんなことはされているだろうとそう思った。

これが、躾の一貫なのか、衝動的な行動なのかを考えていた絢音だった。呼吸が整ってきて頭がクリアーになってくると、プレーの一つだったのだと判断が出来る。だが、ぞわりとする恐怖が無かったわけではなかった。鬱病によって、時折、自分の意識が混濁するのだ。それを理解していないと、怖さだけが増すことになるからだった。

お互いの胸の鼓動を聞いて少し、呼吸を揃えてから先に口を開いたのは絢音だった。
「いつも、激しいから・・・逝き過ぎて、おかしくなっちゃいそうよ。」
「おかしくなったらええよ。泣いてわめいて、命を請えばいい。気持ちよかったやろ。」
「それは、気持ちよかったけど。息をつく間もないわ。全てを奪われて、壊されて、そして再生される。その繰り返しな気持ちになるもの。体がもつかしら?そっちの方が心配よ。」
「そうそう、体は倒れたりはせぇへんし、女の体は丈夫やから。」撫でられていた背中の手に敏感に反応しそうで意識を少しそらした。

「ご主人様は気持ちよかったですか?」見上げられた顔を目にして、唇を寄せる。離した後にいつもの笑みはあった。
「かなり、気持ち良かったよ。明日は近場だけど公園があるから、そこまでドライブしよか?まぁ歩いても行けるんやけど。川もあるし、その中が広いから・・・」
「お散歩ね、それは楽しみ。ここら辺は自然が凄く多いし、聖は何もないって言ってたけど私には自然があるのが一番だわ。」
「絢音がそう言うなら、守山も少しは好きになれそうやな。」更々と触られていた背中がまだ、熱い気がしてならなかった。

「これで、終わったわけやないよ。今日は寝かせない言うたの忘れた?」ぐっと再び引き寄せられた。胸を押し返そうとするが、力でかなうはずがないのだ。再び唇を奪われる。瞳に吸い込まれる気がしてゆっくりと、目を閉じた。夜は長く二人を包むのだった。
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