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第12章 Scene.11

　
　思わず呟いたと同時に送られて来た位置情報では近くに来ていると判断。

「しっかりやってよね」

「…わぁってるよ………」

　と言っても、今回はオレが直々に手を出す訳じゃ無い。

「先ずはこれが順調に行ったら、君にはご褒美をあげるよ」

「………あんま期待しねぇ方がいいけどな………」

　正直成功する気がしない。

　数パーセントもそんな気がしない。

「………今回はやれる事なんてこれっくらいだしな」

　チラッと背後の様子を窺う。

　わざと僅かな隙間を開けておいた扉。

　その間から、チラチラとピンク色が見える。

「何で期待出来ないのさぁ」

「そりゃぁ………」

　何たって、あのエリスだから。

　何処でどうなってこうなったのか知らんけど、コイツはエリスにご執心らしい。

　計画の手始めとか体の良い事をほざいてるけど、女を堕とす事をして何になるんだか。

　しかも、性的に滅茶苦茶にして廃人にしろとか。

　それからオモチャにするんだとか。

　………ムリだろな。

　返り討ちに遭うのが関の山だと思うけど。

　と言うか、世界征服の手始めがそれかよ。

「ささっ。やっちゃってよ」

　嬉々として促してるガキみてぇなちびっ子。





　魔王には見えねぇ。