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びっちカノジョ 【2期目】
第3章 Scene.02
 
 ポヨンポヨンと跳ねてくる水色の物体。

 バレーボールくらいの大きさ。

 頂部はちょこんと尖りを見せる、艶がある丸みを帯びたフォルム。

「何よ、あれっ。可愛すぎるでしょっ」

 目も鼻も口も無い。

 そのくせ、一直線にこっちに向かってきてる。

「あ、アレは…スライムっス」

「そんな事分かってるわよっ。何よ、あの愛くるしさっ」

 シュウたちが戦ってるコボルトとは違う可愛らしさ。

 小ぶりな体をポヨンポヨンと弾ませて移動する姿も可愛らしい。

 ヤバい。

 萌え死にそう。

 ツルツルした物体なのに愛嬌を感じる。

 まるで小さい子が頑張って来ようとするのを、固唾を吞んで見守る感じ。

「あ、姐御……逃げるっスよ」

「なにバカなこと言ってるのよっ。あんな可愛いのを置いて逃げるとか無いわよっ」

「姐御? アレも一応モンスターなんスけど………」

 モンスターだろうが何だろうが、可愛いのから逃げるなんて選択肢はない。

 と言うか、もはや距離は一メートルも離れていなかった。

 両腕を伸ばして待ち構える。

 早く触れたい一心だった。

「さぁ、来るのよぉっ」
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