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先生とわたし。
第5章 二人きりの放課後

「先生は、なんで教師になったの?」


「昔お世話になった恩師に憧れてね。」


「ヘー、 そうなんだ。私もなりたい仕事見つかるのかな。 この時期なのに、決まらなくて。」


優は、美容の道に進まないかと仄めかす長江の、それが示唆する意味に、どう答えていいかわからずに、曖昧なままにしていた。


「絶対見つかる。いろんな人の話を聞いて、視野を広げると良いよ。」


「じゃあ、先生の話をいろいろ聞いても良い?」


「良いよ。」


「先生は、恋人いるの?」


「いないよ。朝倉はいるのか?」


「いないよ。でも好きな人はいるよ。」


「朝倉だったらすぐに付き合えるんじゃないか。」


「本当?」


「大丈夫だよ。」


「じゃあ、先生付き合ってくれる?」


「何言ってんだ、朝倉・・・」


「だって、 さっき付き合えるって言ったじゃん。私、先生の事好きだもん。」


「ちょっと待て、なんで俺なの?」


「一目惚れだよ。それに私、年上しか興味ないんだ。ずっと見てたの、気づかなかった?ダメ?」


「教師と生徒はまずいだろ・・・暗くなってきたし、帰るぞ。」


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