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明治鬼恋慕
第11章 夜叉

俺の身体はリュウよりも人間の男に近い。

治癒能力も低い。

人肉を見ても…食肉衝動は起こらない。


確かに俺は鬼じゃない。でもそれだけなんだ。


「…俺たちは……っ、互いを理解し合える、たったひとりの存在なんだ……!!」


今さら、種族が違うからなんだ。

俺とリュウの絆はもっと深いところにある…!




「くくっ……ははは! 互いを理解し合えるだと?」

「…!……ハァ、ハァ」

「本気で言っておるのか? お前はリュウの行動に異常さを感じ、違和感を覚えたことが一度とてないと言い切れるか?」

「それ、は……!!」

「…諦めるがいい。所詮、間の子であるお前は人にも鬼にも属せない」

「…っ…違う!」

「──…違うと言い張るなら、今すぐ私の首をはねてみろ」

「はぁ…!? なに言ってやがる…!」

「お前に鬼の心があるのなら、人間である私に慈悲など持たない筈であろう」

「……っ」


焔来は目の前の男が恐ろしくなる。

本気なのか、ふざけているのか。

この男の命は完全に焔来が握っているのに…又左衛門は挑発をやめない。


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