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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第9章 盗撮 編 3-1 コスプレ
感情のない乾いた声を聞いて、一瞬周りの騒音が消えた。
思ってもいなかった言葉に大石の鼓動が速くなった。

やっぱり、バレてたのか・・・
どうしてわかったんだ・・・
こんなの・・・はじめてだ・・・

彼女に気付かれないように辺りに注意を向けるが、誰かを呼んできている訳ではない様だった。
少し落ち着いた大石は、どう展開していくのがいいか、素早く考え行動した。

「許可を取らないで撮影をしてすみませんでした。趣味で写真を撮っているので、こんな綺麗な人にモデルになってもらえたらいいなって思っていたら、どうしても撮影したくなってしまって・・・
でも、いけないことだと思ったから、声をかけて申し込もうとしたら帰ってしまったので、どうしたらいいのか分からなくなったんです・・・」

大石の言葉に、美少女の瞳が驚いた様に見開いた。

「か 帰ったって・・・それはあんな風に撮影されたら誰だって恥ずかしくなるでしょ?それにいきなり声をかけられたら、びっくりするでしょ?違う?帰った私が悪いって言うの?」

少し怒った彼女の言葉に、大石は訳が分からなくなった。

そ、そこを言い返してくるって、何か違わないか?・・・
怒るところが違うだろ・・・なんだこの子・・・
あれ?それじゃ、ちゃんとお願いすれば、撮影はOKってこと?

「いや、無断で撮影した僕が悪いです。すみませんでした」

彼女の言葉に合わせ、素直に謝ってみた大石の作戦は正解だった。
軽く溜息をついた彼女の肩から、力が抜けたのが分かった。

「そ、そんな素直に謝られたら・・・それなら、そのことはもういいわ・・・」

彼女は、始めの問い詰める様な視線から、何か声をかけてもらうのを待っているかのような、そんな視線に変わっている。

モデルになってください、と申し込んでみようか・・・





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