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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第9章 盗撮 編 3-1 コスプレ
来瞳の撮影前には大石とシャワーを浴びながらイチャイチャしていたとは思えない、このスタジオに現れた時と同じような爽やかな雰囲気で、真奈は立っていた。

いつから居たんだろう・・・

大石は片づけを続けながら、少しだけドキドキしている気持ちを悟られないように何食わぬ顔で声をかけた。

「お待たせ、予定より時間がかかっちゃったよ。来瞳は今着替えているから・・・」
言い終わらない内に、真奈が真っ直ぐに大石を見つめながら歩き出した。
笑顔ではなく、怒っているでもない。しかし見た目が美人顔なので冷たい印象を大石は感じていた。
強張った顔で固まっていた大石にぶつからんばかりに近づくと、そのまま見つめ続けている。
大石も目を逸らさなかったが近くで見つめ合っていると、シャワールームでの真奈とのキスや、胸へむしゃぶりつくようにして愛撫したことを頭に浮かべてしまう。
そんな大石の心の内を読み取ったのか、真奈は抑揚のない声で言った。

「大石君って、H」

綺麗な表情のままの冷静な声にシャワールームでの真奈とのギャップを感じ、大石はゾクッとするような魅力を感じていた。
とても舌を絡めあったり、ビキニの上からでもお尻を揉まれて喘いだり、硬くなった乳首を舐め上げられて声を上げていた女の子には見えなかった。

「何を思い出してるの?・・・」

そう言うと表情は一変した。
キスをする直前の時の様な、込み上げる気持を我慢できない切ない表情をする。
大石の胸に両手の平を当てて、更に距離を詰めてくる。

「あのことは・・・聞かれなければ、話さないってことにしたいの。
いいよね?大石君・・・」

どちらかが本当の真奈なのか、それとも両方とも本当の真奈なのか、混乱したまま頷くと途端に無邪気な笑顔を見せる。

ありがとう、の言葉と唇に押し当てた人差し指を大石の唇にも当てると、来瞳がいる更衣室に小走りに駆けて行った。

からかわれているのかな・・・
そう感じながらも、キュンとした思いが大石の胸の中に広がっていく。
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