この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
私は夏妃の肩を抱いて支え、言葉を繋げた。マネージャーにも感謝の気持ちを伝える。
しかし、よく頑張った、と褒めてはもらえても、やはり後半のパフォーマンスが落ちたことはしっかりと怒られた。
「あんな事では次のコンテストでは絶対に通用しないからな。だから特別にダンスのレッスンをこの後に2時間入れておいた。車で待っているから、急いで着替えること」
それだけ言うと楽屋から出ていく。
呆気にとられた私達は、しばらく何も言わないまま顔を見合わせていた。
身体の疲れを感じる。全員ヘナヘナと床に座り込み、誰も動こうとはしない。
しばらくそのままでいると全員のスマホが鳴った。
マネージャーからのメールの着信音は、メンバー全員で統一してあるからすぐにそれと分かった。
全員で確認済みの返信をしてノロノロと起き上がり、支度を済ませるとマネージャーの待つ車へトボトボと歩いて向かう。
愚痴を言う元気さえ残っていなかった。片付けで忙しそうに動き回るスタッフの邪魔にならない様に、一旦ロビーを通ってから裏口へ抜けようとした時だった。
先頭の夏妃が止まり声をあげる。
「あっ・・・うそっ。待っててくれたんだ!」
指差した方を見れば、ロビーのガラス越しにファンの人達が中を覗いているのが見えた。
夕暮れ時で薄暗い中、大勢の人がガラスに張り付いているのは、正直少し怖かった。
「ど、どうするの?・・・」
心瑠がポツリとつぶやいたのを聞いて、夏妃が言った。
「もちろん、挨拶していこうよ。あの人達がいなかったら結果は違っていたかも」
そう言って小走りに向かって行く夏妃を追って、メンバー全員も続いた。
全員で揃ってお礼を言いながら頭を下げると、おめでとう!と大きな声で言ってくれる。
名前のコールも始まった。
何事が始まったのかと、ロビーにいたスタッフたちが見つめる中、私たちは嬉しさでまた泣き出しながら、応援してくれた人達とガラス越しに手の平を合わせていく。
投げキッスをしたりしてふざけている内に、気が付けば、心も身体も力が戻ってきているのが分かる。

「私、マネージャーは鬼だと思ったけど、でも応援してくれている人達の為にレッスン頑張るよ」
「うん、次のコンテストの為に今日から頑張らなきゃ。だね」

手を振りながら、舞風と心瑠の会話に私も頷いた。
もうあんなステージは見せたくないから・・・
/909ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ