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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
急にスポットライトが消えると、まったく光が届かない穴の底にいる様な感覚になる。
客席のざわめきは、まるで地の底から響く正体のわからない生き物の呻き声のようだった。
明かりをください・・・
ライターやロウソクの火の様な明かりでも構わない。小さくてもそこを目指して進んで行きたい。私達を導いて欲しい。
大きな光のボールがぶつかってきたような衝撃に、私はバランスを崩して隣の夏妃にしがみ付いた。
眩しくて目など開けていられない。呼吸さえ止めて立っているのがやっとだった。
「第1位は・・・ファータフィオーレです!おめでとうございます!!」
アナウンスと同時に客席から歓声が起こり、ステージの明かりが戻る。
左右にいたグループから、おめでとう!と声を掛けられハグされる。
思ってもいなかった展開に、思考が付いて行かない。押し出される様にしてステージ前方へ移動した。
ステージ後方で大騒ぎしているファンが視界に入り、ようやく現実として把握できた時には喜ぶ気持ちを押しのけて、涙が溢れ出でてしまった。
夏妃が肩を抱き声をかけてくれる。結局メンバー全員とハグをしたけれど、一番泣いていたのは私だった。
審査委員長から選考理由の発表があり、ファータフィオーレは現在の実力には合格点を与えられるし、決勝なのに難しい曲に挑戦したのも評価できる。しかし一番大きな理由は今後の伸び代を一番感じることが出来た、との事だった。
ただし、限られた場所でのライブ経験しかないことの経験不足を補うために、さらに努力をしていって欲しい、とも言われた。
気にしていた、後半息切れする様にパフォーマンスが落ちていったことは大きな減点にはならなかった。経験不足は場数を増やして実力をつけるしかない。
課題がハッキリと分かったことはいいことだよね、と自分に言い聞かせる。
次のコンテストまで時間はない。頑張って成長していこう。出来ることは何でもやっていこう。そんな気持ちになれた。
楽屋に戻ってマネージャーにあらためて報告をする。
驚いたのは、結果発表後でもステージでは一番冷静だった夏妃が報告の途中で泣き出したことだった。
「そ、それで・・・ゆ、優・・・」
最後まで言うことなく顔を手で覆って泣きだした。そこから言葉を続けることが出来ない。
客席のざわめきは、まるで地の底から響く正体のわからない生き物の呻き声のようだった。
明かりをください・・・
ライターやロウソクの火の様な明かりでも構わない。小さくてもそこを目指して進んで行きたい。私達を導いて欲しい。
大きな光のボールがぶつかってきたような衝撃に、私はバランスを崩して隣の夏妃にしがみ付いた。
眩しくて目など開けていられない。呼吸さえ止めて立っているのがやっとだった。
「第1位は・・・ファータフィオーレです!おめでとうございます!!」
アナウンスと同時に客席から歓声が起こり、ステージの明かりが戻る。
左右にいたグループから、おめでとう!と声を掛けられハグされる。
思ってもいなかった展開に、思考が付いて行かない。押し出される様にしてステージ前方へ移動した。
ステージ後方で大騒ぎしているファンが視界に入り、ようやく現実として把握できた時には喜ぶ気持ちを押しのけて、涙が溢れ出でてしまった。
夏妃が肩を抱き声をかけてくれる。結局メンバー全員とハグをしたけれど、一番泣いていたのは私だった。
審査委員長から選考理由の発表があり、ファータフィオーレは現在の実力には合格点を与えられるし、決勝なのに難しい曲に挑戦したのも評価できる。しかし一番大きな理由は今後の伸び代を一番感じることが出来た、との事だった。
ただし、限られた場所でのライブ経験しかないことの経験不足を補うために、さらに努力をしていって欲しい、とも言われた。
気にしていた、後半息切れする様にパフォーマンスが落ちていったことは大きな減点にはならなかった。経験不足は場数を増やして実力をつけるしかない。
課題がハッキリと分かったことはいいことだよね、と自分に言い聞かせる。
次のコンテストまで時間はない。頑張って成長していこう。出来ることは何でもやっていこう。そんな気持ちになれた。
楽屋に戻ってマネージャーにあらためて報告をする。
驚いたのは、結果発表後でもステージでは一番冷静だった夏妃が報告の途中で泣き出したことだった。
「そ、それで・・・ゆ、優・・・」
最後まで言うことなく顔を手で覆って泣きだした。そこから言葉を続けることが出来ない。