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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
全てのグループが歌い終わった後、ステージに集められた私達は結果の発表を
待っています。
見ることが出来た他のどのグループも歌やダンスのレベルは高くて、優勝する
ことは簡単な事ではないのは分っていました。
ただ自分達のパフォーマンスも、それに劣っているとは言えない、と夏妃さん
と愛美さん、そして年下の舞風までが自信のある顔つきで言っています。
私と心瑠の落ち着かない気持を、励ましてくれます。

「それでは・・・いよいよ発表です。尾崎審査委員長、お願いします」
司会者からマイクを渡された人は、他の審査員の方がスーツを着ているのに、
1人だけラフな格好で浮いていました。
ただ、そんな事は気にもしていない様子で堂々としています。

「ほらね、あの人だよ・・・」
隣で並んでいたグループの女の子達が、小さな声で話しています。
「自分が育てた新人賞を取ったグループのリーダーの子と、ホテルから出てき
たところを週刊誌に撮られた人でしょ・・・」
「えっマジ!ヤバイ人じゃん・・・」
「若いころはモテましたって感じだけど・・・」
笑い声と一緒に聞こえて来た言葉に、私の心臓がドキドキし始めました。
私達ファータフィオーレが、売れる為には何でもやろうと話し合ったことをハ
ッキリと意識してしまいます。

その子ももしかしたら・・・そしてファータフィオーレのメンバーの誰かが
もう同じことをしているとしたら・・・
最初のライブからこの大会まで順調に来ている流れは、それが理由かも・・・
前に並んでいる夏妃さんと愛美さん、そして舞風の今日の自信はひょっとした
ら・・・

疑問がドンドン湧いて来てもどうすることも出来ません。
メンバーで話し合ったのです。そんな事をしても言わない、それに気づいても
聞かない、と。

え~!と言う場内のざわめきで、私は周りを見回しました。
考えるのに夢中だったので、今何が起きているのか分かりません。
「心瑠・・・何、これ?」
「聞いて無かったの?涼奈ちゃん。優勝以外に特別賞として2つのグループが
CDデビューできるんだって!」
「えっ・・・」

それってやっぱりあのことがあって・・・私達の為に?・・・

「それでは、発表します。優勝は・・・です!おめでとう!」
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