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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
もの凄い歓声が客席から起こってステージを包みます。
その中でそれに応えて手を振り、抱きしめあって泣き出したのは、ファータフ
ィオーレではありませんでした。
ステージの中央に進んだ3人の女の子達が深々と頭を下げると、一段と大きな
拍手の音に包まれていきます。
優勝してもおかしくは無いパフォーマンスをした彼女達に、私も拍手を送りま
した。でも、心瑠が泣きながら抱きついて来ると、涙を止められません。
練習をあれだけやっても、まだ手が届かないことがあるんだ・・・
まだ挑戦は続けるけど、次のチャンスはいつ来るんだろう?・・・

特別賞がまだ発表されていなくても、私は今回のCDデビューのチャンスは諦
めてしまいました。
期待してはだめだった、そんなことを繰り返してオーディションに落ち続けた
日々を思い出してしまったのです。
おねえちゃん・・・抱きしめてよ・・・
愛美さんに抱き着きたい、そう思って手を伸ばしました。

えっ?・・・
私は唖然としてしまいました。
愛美さんは夏妃さんと腕を組んで、涙は無くにこやかに拍手を送っています。
その傍で舞風も拍手をしながら爽やかに笑っています。
その姿は、まだ特別賞を諦めていない、と言うよりも受賞に自信を持っている
様に見えたからです。
優勝を目指していてそれが出来なかったのに、3人の態度には余裕すら感じる
ものがありました。
この特別賞をもし私達が貰えたら・・・それはひょとすると・・・
まだ泣いている心瑠を慰めながら、私も次の発表を待ちました。

「それでは・・・審査員特別賞の発表です。それは・・・」

グループ名を聞いた途端に、夏妃さんと愛美さんが声をあげてハグし合い、舞
風が何か叫びながらぶつかる様にして、私と心瑠に抱き着いてきました。
客席からの歓声が大きくて、何を言っているのか分かりません。
ステージ中央に並んで頭を下げてもまだ涙が止まりませんでした。
それまで感じていた疑問も忘れてしまうくらいの嬉しさを感じながら、なぜか
膝がカクカクと揺れてしまい、隣の愛美さんに掴まって立っているのがやっと
でした。

おねえちゃん・・・

小さく囁いた言葉に、愛美さんは頭を撫でてからハグをしてくれます。
頑張ったね・・・
その言葉は何よりも嬉しいモノでした。
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