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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第16章 ストーカー(僕の彼女)編 1-1
2人のイケメンの内、1人は長髪でパッと見は遊び人風なイメージがす
るタイプ。もう一人は髪は短く爽やかな印象の好青年タイプだった。
どちらもファッションには気を使っているのだろう。身に着けているの
はブランド物ばかりだった。歩きながら話している内容から2人は医大
生だと分かる。瑠奈と久しぶりだったのは、研究と実習で忙しかったか
らだという。
それに対して瑠奈は、聖杏学園に在学中であること、年齢やマンション
のことなど、一切話していないようだった。2人に聞かれるたびに話せ
ない、話してはいけない、ことを強調している。
「だってお店で禁じられてるの。ごめんね」
と悲しそうな表情で話す。上手く話をはぐらかすのが慣れている。
更に、男達が交互に肩や手を触ろうとするのも、しっかりと拒否をして
いた。
「無理やり触っていると魔法が解けて、もう会えなくなっちゃうから」
真剣な顔で瑠奈にそう言われて、男達も少しずつ諦めていく。

聞いたことのあるセリフだった。彼女のバイト先はメイド喫茶かも知れ
ないと思えた。その営業も兼ねて、お客さん達と食事をしてからお店へ
出勤しているのかもしれない。まるでアダルトなお店のやり方だけど、
瑠奈自身はしっかりした子なのだと分かり、それは嬉しかった。
ただ、やはりこの男達は信用できない。
食事が終わった後、彼女が席を外している間の会話を僕は聞き逃さなか
った。

「かぐやちゃんは相変わらず堅いよね」
好青年風男が苦笑いで話すと、遊び人風男がヘラヘラと笑った。
「そうだよな。他のメイド喫茶のNo1は殆ど食ってきたのに、なかな
か落ちそうもないな」
と言って、頭の後ろで手を組み天井を仰ぎ見ながら思案顔をする。
真剣な顔で好青年風男が言った。
「後をつけて住んでる場所とか探っちゃおうか?」
「めんどうだなぁ、それも・・・あの手を使っちゃう?」
と、遊び人風男が身を乗り出しながら言った。
「カラオケからの~」
声を合わせる2人の目が嫌らしく光る。
「ラブホ!!」
そう言って笑い合う。
「あ~早くヤリて~」
遊び人風男の品のない言葉に、好青年風男も頷く。

頑張ってバイトをしている瑠奈が、可哀そうになってきた。そして心配
も。
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