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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第16章 ストーカー(僕の彼女)編 1-1
食事の前にゲーセンで遊んだ時も、この男達はさりげなく瑠奈の身体に
触れたりしていた。肘を胸の膨らみに当てたり、後ろを通る振りをして
股間でお尻を擦ったりしていたのだ。瑠奈がハッキリと断れない状況で
手を肩や腰に置くこともあった。
こんな男達とカラオケなど行ったらどうなるか、容易く想像できてしま
う。
こんな時、僕に何ができるだろう・・・

戻ってきた瑠奈に、男達は優しく声をかける。そろそろバイト先へ行っ
た方が良いんじゃない、と。それに瑠奈は笑顔で応える。
「今日はごちそうさまでした。美味しかったです。お礼に、お店では沢
山サービスしちゃいます!」
そう言って指で作ったハートを2人に向けて、フッと息で飛ばした。
大げさに喜ぶ男達。笑い合いながら、3人はお店を出ていった。

瑠奈にバイト先まで案内してもらいながら、これからの事を考えた。
バイト先のお店はチェックしないといけないが、あの2人の事を調べ
るのが先決だろう。
今日は瑠奈をしつこく誘うことは無いと思う。けれど今後仕事の絡み
でカラオケに誘われ、断り切れなかったら彼女が危ない。
あの男達の本性に、さりげなく瑠奈が気づけたら・・・
いや、それだけじゃ別の女の子達が、これからもあの男達に・・・
あいつらを破滅させることが一番の方法だろう・・・
それなら、僕にしか出来ないことがある・・・

早速、結果から遡って過程を考えていき、個々の目的を達成させるため
の手段を決定する。彼らが破滅しても、瑠奈には一切被害が及ばないよ
うにするのはもちろん、バイト先にも聖杏学園にも無関係な形で破滅さ
せること。そのシナリオが出来上がってみると、思ったほど大変な作業
ではなさそうだった。

そう、僕にはね・・・
瑠奈・・・僕は君を守るために、出会ったんだね・・・
ほら、やっぱり運命だったんだよ・・・

彼女のバイト先に到着した。
やはり、メイド喫茶だった。都内や他の地域にも出店している結構有名
なお店だ。入店していくのを見届けてから、その入り口が見渡せるファ
ーストフード店で男達が出てくるのを待つことにした。
行動は早い方が良い。まずは彼らのスマートフォンを操作できる状態に
したい。僕が送信するフリーFiーWiに接続してくれれば、それは簡単なこ
とだ。
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