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小鳥遊医局長の憂鬱
第7章 仕返し
「確かにチクチク言われたことはあったけど…。」

大人たちはハロウィンの時の出来事を4人で話し合っていた。

「やはり、夫婦で同じ病棟で働くこと自体が無理なのかも知れません。」

冬が病棟が好きなことは痛いほど良く判っていたが、これから先も同じようなことが続いたとしたらと思うと冬を除く3人は心配だった。

「うん…そうかも知れない。」

今日の冬はいつもよりも素直だった。

「もう、3人の関係を公表しちゃうとか?」

…静さんは二言目にはそれだ。

春から先に話を聞いていた、今泉は嬉しそうだった。

「それでは、余計にトーコさんが矢面に立たされる気がします。」

小鳥遊は眉を顰めた。

「トーコさんも何でも秘密にしちゃうからいけないんだよ!もう少し、僕たちを頼っても良いんだよ?」

今泉は、春が煎れてくれたばかりのお茶を飲んだ。

「頼った結果が、公表しましょうじゃ困るのよ。」

小鳥遊が声を出して笑った。

「今すぐでは無くても、暫くは大丈夫だと思うわよ?けれど、これから先の対策は考えておいた方が良いわよね。それは3人がどうしたいかで変わってくると思うけど。」

春は冬が隠したがっても、これは皆で話し合うべきだと思っていた。

「何で?なんかしたの?」

冬が春をじろりと睨んだ。

「ちょっと脅かしただけ。」

今泉も小鳥遊も思わず噴き出した。

「脅かしたって誰を?ふたりとも知ってるなら教えてよ!誰を脅したのよ。」

それを聞いただけで冬は、また面倒な事に巻き込まれそうな気がした。

「ごめんなさい。トーコさん笑い事じゃ無いんだけど、笑ってしまいます。あなたと春さんは、やはりも似ていると思って。」

ふたりとも再び笑いだして暫くそれは止まらなかった。

「似て無いわよ!失礼しちゃう。」

春がおどけると、小鳥遊も今泉も声を出して笑った。



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