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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第9章 「雨上がり」
「磯毛警部~!」
磯毛に駆け寄って来る若者の姿があった
「おお、確か…拓海君だったね?」
「はい。あ…久米さん、どうも…」
近藤拓海は久米幸太郎に軽く会釈した
幸太郎の方も頷いてニッコリと微笑みを返した
「どうしたんだね、そんなに慌てて…?」
「いえ、ウチの晴海…見かけませんでした?」
「え?晴美君…?」
「ええ…さっきから見当たらなくて…」
「この雨だからねぇ…校内の何処かにいるんじゃないかね?」
「はい…、そう思って皆で探しているんですけど…。警部…もし晴海を見かけたら、直ぐに教えてくれませんか…?」
「あぁ、分かった」
近藤拓海は校舎に向かって渡り廊下を走って行った