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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第10章 「第2の犠牲者」
入れ替わるように盆に乗せた麦茶を手に、勝江が二人の元へやってきた
「はい、どうぞ。お代わりもありますから、遠慮しないでくださいね」
「おぉ、こりゃあ有難い。では早速頂きます。」
「ありがとうございます、勝江さん」
勝江は珍田一の傍らに近寄ると耳元で囁いた
「後で、ちょっと表のお庭にいらしてください…」
勝江が厨房に入るのを見届けると
珍田一の顔を見ながら磯毛はニヤリと笑みを浮かべた
「どうやら今夜は珍田一さんに遠慮しなくて良さそうですな…ウヒヒ」
「いやぁ…」
照れるように頭を掻きむしる珍田一だったが、その表情には僅かに陰りがあった…