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裸の傑作
第9章 性と生
右の乳首だけでなく、左の乳首も攻める。


そのちっぽけな部分が感じやすいしの子は、


息を荒くして苦悶の表情に似た悦楽の表情を浮かべる。


少し荒っぽく、乳首を甘噛みしてぎゅっと強く引っ張る。


「あんっ!薫君、ちょっと痛いよ・・・!」


穏やかで優しい薫の意外な仕打ちに、しの子はびっくりしながらも感じてしまった。


ふんわりまろやかな乳房は男性にとって憧憬の対象でもあり、


また男の残虐な暴力性を呼び覚ます装置でもある。


女性性の象徴を崇め、時に唾を引っ掛けたい・・・。


そんな歪んだ欲望を自分の中に見出し、薫はたじろいだ。


薫の微妙な表情は、アヤにとって宝のようだった。


乳房を愛し慈しみながらも、それを踏みにじることで新しい快感を覚える少年。


薫の戸惑いと興奮が浮かんだ横顔を、アヤはしっかり切り取った。

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