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第5章 本当の処女喪失、もう一人のモデル

しの子は不安げな薫を見つめながら言ったものの、


薫の残してくれた痕跡を消したくないと思っていた。


子供ができてしまうかもしれない。


お金だって、モデルの仕事でギリギリやっていけている状況なのに。


しの子は不安でいっぱいだった。


不安の闇に呑まれてしまいそうだった。


それでもなお、しの子は薫の精子を子宮に抱えていたいと思った。


今のしの子にとって、最高に屈辱的で甘美な方法で処女を奪った、


薫だけが世界のすべてだった。


一度セックスしただけの相手を、彼女は愛し始めていた。