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裸の傑作
第6章 ファインダー越しの夜
「リアルで見るのとはまた違うでしょ」


アヤはタバコを吸いながら横目でしの子を見る。


「写真って、うまいとちっともエロくないのよ」


自画自賛でごめんね、と彼女は続ける。


「この写真なんか、とても綺麗でしょう」


薫としの子がしっかり見つめ合った写真は、イタリアのルネサンス期の絵画のような優雅さがあった。


図書館の画集で見た、初々しいアモルとプシケのカップルみたい。


「この写真、私にもくれませんか」


しの子はアヤの写真にすっかり魅了されていた。


「もちろん」


陶器の灰皿にタバコを押し付けながら、アヤは微笑んだ。
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