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ばななみるく
第3章 ありすのばなな
いつもはズボンを穿いているのに、今日はスカートを穿いている。

「なんだ、男の娘か。ボクちゃんも触って欲しいのかな」痴漢オヤジはいやらしく衣月に迫る。

「ふざけるな、ボクはれっきとした女だ」
衣月はさらに痴漢オヤジを睨みつける。

そうそう、生徒会長はれっきとした女なんだから・・えっ、ええ~っ、女ぁと亜莉栖は心の中で叫ぶ。
亜莉栖も生徒会長のことを男子だと思っていた。

「ひひひ、だったら付いてるか付いてないか確かめてやる」と痴漢オヤジは衣月のスカートに魔の手をのばす。

「痴漢は最低の犯罪だと言ってるだろ。まだ分からんのか」と衣月は再び痴漢オヤジの手を掴みあげる。

「調子に乗ってるんじゃないぞ。お楽しみの邪魔をしたうえにみんなの前で痴漢呼ばわりしやがって」
痴漢オヤジは怒って衣月に殴りかかる。

乗客たちも衣月と痴漢オヤジの戦いに注目し始めてざわざわする。

「痴漢に痴漢と言って何が悪い」と衣月は乗客たちにも聞こえるように痴漢と怒鳴る。

痴漢オヤジは怒りに任せて衣月に殴りかかるが、衣月は紙一重でかわしてオヤジにパンチやチョップをくらわせる。

「本当は竹刀で叩きのめしてやりたいけど、痴漢とはいえ丸腰だから素手でやってやるよ」

衣月が立っていた所には竹刀と胴着が置いてある。今日は衣月が所属する剣道部でも大事な試合がある日だ。

ただし、武道の家で育った衣月は剣道のほかにもあらゆる格闘技に渡って強い。

「ちくしょ~」

衣月に叩きのめされた痴漢オヤジはナイフを取り出して衣月を刺そうとした。
咄嗟にナイフをかわして衣月はオヤジを睨む。

「ボクは完全に怒ったよ。もう手加減はしない」

こうなったら一気に倒すべしと衣月は悟る。ヘタに戦いを長引かせれば、こういうヤツは他の乗客にナイフを突きつけたりして危害を与える可能性大だ。

衣月はナイフを持つオヤジの手を蹴り上げる。たまらずにオヤジはナイフを落とす。蹴り上げた時にスカートがめくれて黒いスパッツがモロ見えしたけど、衣月は全く気にしていない。

怯んだオヤジに衣月は次々に回し蹴りを連打する。スカートがめくれて黒いスパッツがチラチラする。

「潰してやるよ。キンタマストライク~」

ヒーロー番組とかが大好きな衣月は咄嗟に必殺技の名前を叫んでオヤジの股間にモロに必殺キックを炸裂させる。
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