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あなたが教えてくれたこと
第7章 7
縛られることは馴れている紫遠であっても、包まれるのはもちろんはじめてだった。
熱さで滲んできた汗が樹脂を濡らすと不快な滑り具合になる。

「一生涯俺の玩具になると誓ったよな、紫遠」

脚を握りながら問い糾された。不安と期待で喉が潤いをなくし、声も出せずに頷いた。

「あの誓いは口先だけか?」
「そんなこと、ありません……」
「じゃあさっきの別れ話はなんだ?」

彼の目は本気で怒っていた。

「答えろ? 言っとくけどSMごっこの遊びで訊いてる訳じゃないからな?」
「それはっ……そのっ……」
「ご主人様とか言って変態的な性欲を満たすだけ満たしたら用無しということか?」
「そんな言い方しなくてもっ」

容赦のない言い方につい口答えをしてしまった。その瞬間足首を掴まれ、ぐいっと引っ張られた。

「口の利き方に気を付けるんだ」

冷たく言い放ってから遼平は中指の第一関節と第二関節に親指を当てて、尖らせたような拳を作り、その尖った部分を足の裏に圧しつけてきた。

「いっ!? 痛いっ!!」

突如激痛が走った。
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