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あなたが教えてくれたこと
第7章 7
お尻の白丘に届いたとき、紫遠の恐怖が一点に集中した。

『そんな、まさかっ……』

指先はフィギュアスケートのように軽やかに動き、二つ割れの中心部に咲く菊花で止まった。

「そこはっ、違います……」
「違う?」
「ねえ、お願いっ……」

不浄に触れられ、声が震えた。

「ここは弄られたことあるのか?」

遼平の目が嬉しそうに細くなる。
紫遠は怯えながら首を横に振った。
嗜虐趣味の夫だが、そこを責めてきたことはなかった。彼は汚いことが好きではなく、その類いの強要はしてこなかったからだ。

「穢いところですからっ……そこだけはっ……」

紫遠もそこには強い禁忌を抱いていた。しかし正嗣にも穢されてないその場所を遼平が見逃してくれるはずがなかった。

「穢い? 愛奴の身体の隅々まで可愛がるのが主の役目だ」

何を言っても通じない。
絶望的な闇に包まれ、背筋が震える。
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