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あなたが教えてくれたこと
第7章 7
「今日の紫遠もとてもよかった」
「はい。沢山たくさん、いかせてもらいました」

遼平が寄り添って寝転がり、紫遠は彼の腕に頭を乗せて丸くなった。
背骨の膨らみを一つひとつ確かめるように、彼の手が背中を撫でていた。
こうして戯れていると、不安や苦しみ、報われない恋の悲しみも消えていく。
現実から目を逸らしただけとは知りつつも、その安らぎに身を委ねた。

「しおん……」

呼ばれて顔を上げると、愛しい顔が目前に迫っていた。

「俺はいつだってあなたを想っている……それだけは、忘れないで」
「はい。ありがとうございます……」

紫遠は彼の首筋に唇をつけ、そのまま強く吸った。

「んっ……」

ちゅぽっと音を立てて離すと鬱血の青さが残った。

「しるし、付けちゃいました……ごめんなさい」

自分の身体に痕を残せない歯痒さから、彼の身体にそれを刻む。
遼平は嬉しそうにそこを擦って微笑んでいた。
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