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第5章 天　使　№ 2

　勇次が、木下クリニックの看護師長である、吉田真由美から

小さな紙片を受け取った日の夕方、クリニックの診療時間を

１０分ほど過ぎた時間に、スマホを取り出し、アドレス帳から

天使 №２を探して、コールした。

天使 №２とは、吉田真由美のことだった、昼間受診の際のメ

モ書きに書いてあった番号を登録し、氏名欄には、白衣の天使

から採り、”天使 №２” と名付けたのである。

　看護師長の吉田真由美は、勤務が終わり更衣室で着替えをし

ている時、ロッカーに置いてあるケータイが鳴った。

それを手に取り、発信者を見たが、それは初めての番号が表示

されていた。” 若しや？ ” と、胸をときめかしながら出てみた、

「はい、吉田です」

「もしもし、太田勇次です、今日はありがとう、今、電話大丈
夫ですか？」