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第6章 堕ちてきた天使　№ 1

「太田さんは、優しいのね、それよりお昼を過ぎちゃったけど
食事して帰りますか？」

「僕は何時も、昼は給食を取っているので、事務所に帰ればそ
れが有るので、お気にしていただかなくても大丈夫ですよ」

　勇次は、この日初めて医者と患者の立場から離れて出会った

初日なので、控えめに辞退の言葉を口にしたのだった。

「私も外食する時は、お手伝いさんに云って出るのに、今日は

言って無いから、どうしましょう」

「じゃあ、次回ということにして、今日は帰りましょう」

「御免なさいね、お付き合いしていただいたのに」

「僕こそ、女優さんみたいな先生と永く一緒に居られて、胸が
ドキドキして楽しかったよ、有難う御座いました」

「太田さんは、また来週診察に来るんでしょう？」

「はい、その節は宜しくお願いいたします」