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夢…獏の喰わぬ夢
第3章 春雨

心がざわざわし始め、手は次に収まる場所を求めて、もぞもぞと彼女の腰の方へ下りていった。


心より体の下の方にあるものが、理性を弾き飛ばさんとばかりに、ざわついていた。



成り行きや、勢いに任せた衝動的なものではない!!

あの夢を見た時から、この日を待ち望んでいて、君とでなければ成し得ないことだったんだ。


ざわめくものを鎮める為にコトに進んだ後、
終えてしまってからの気まずさに、誠意があったことを伝えて正当化しようと、

僕は混乱する頭を冷やしながら、精一杯の言い訳を考えていた。




全く意味のないことだと、後で思い知らされるのだが。


僕の混乱を、全て彼女は包み込んだ。

彼女の手が、居心地の悪い思いで彼女の腰を触っている僕の手を、優しく包んだ。

かと思ったら、

「このままじゃ2人とも風邪ひいちゃうわ。」

と声がして、その手は僕のシャツのボタンを外し始めた。



こういうのに慣れている?初めてじゃないの?動揺する。

いや、彼女も初めてだったようだ。
寒さでなく、彼女の手はぎこちなく震えながら、ゆっくりと全てのボタンを外し、シャツを肩からストンと落とした。
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