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夢…獏の喰わぬ夢
第3章 春雨

それを合図と思った僕は、彼女のかぶりのシャツを、ゆっくりめくりあげた。

夢よりも妄想よりも白く、輝いた肌が露わになった。

顔を紅潮させ、うつむいた彼女は綺麗で、愛おしい。


もう一度深いキスをしながら、肩を抱き寄せ、指は柔らかい彼女の背中を這いブラジャーを外した。

生身の女性を目の当たりにするのは初めてだが、その美しい形に息をのんだ。

彼女を優しく腕の中に収め、ゆっくりベッドに倒れていった。



それまで僕は、行為とは、夢で見たとおり責めるように行うものだと想像していた。


蠢くものの衝動は、別の生き物であり、二人を離すものがないという理性の欠片で欲求を満たしぶつけ合う、淫らな秘め事で不純な行為だと考えていた。




それは全く汚れのない、自然で純粋なものだった。
初めての焦りでどうしたらいいのかわからないのだが、
穏やかで優しい温かい時間と空間に包まれた。


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