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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第12章 足掻く桜



その女学生の話だと、美紀って1年の時から成績優秀スポーツ万能、同学年でも憧れの存在で、勿論成績は学年トップ。



「私は1年の時から倉原さんと同じ進学コースで同じクラス、でも倉原さんは他の方のように進学コースでも鼻に掛けるような事は無く…
いえ、逆に嫌っていた‥そう思います」


1学年に1クラスだけあるっていう進学コース、要するにエリート組の集まりみたいなもんか。


その中でも憧れの存在って、美紀ってそこまで頭が良かったんだ…
でも、嫌ってた??



「どう言ったら良いのでしょう…
進学コースというより、この学校自体嫌っていた‥私はそんな風に見えていました」


この付属高を!?


でも中退したんだから、やっぱり嫌ってたのかな??



「彼氏とか、そんな噂なかったの?」

「いえ全く…
でも‥‥絵を書く事が好きなみたいで、2年になってからかしら、どこかの画廊かアトリエに通ってた‥そう記憶に残っています…
その時の倉原さんは、学校では見せないような明るい感じでしたね」

「・・・・・」


初めて知った、美紀が絵が好きだって…
こっちに来てからは、そんな事はひとことも聞いた事が無い。


「その場所‥どこか分かりますか?」

「いえ…
学校の外の付き合いは無かったもので…
ただ、バスには乗らず必ず歩いて街の方に行くくらいしか……」

「それで十分です、忙しいのに、ありがとうございました」

「いえ…
あなたは倉原さんのお知り合い?」

「えーまあ、はい」

「元気にしてます倉原さん……」

「・・元気です!」


私はそう嘘を付く事しか出来なかった…
だって、ホントに心配そうな顔をしていたから。


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