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OLオクサマのふぇろもん
第3章 Scene.03
 
 俯き気味に顔を伏せたまま、視線だけを上げる。

 軽くウェーブが掛かった、肩まで伸びる明るい茶髪を靡かせ、紺色のベストに束ねた書類を胸に抱え、ヒールの音をたてて歩く女性。

 ピチッとしたタイトスカートは、丸みを帯びた尻の形をくっきり浮かび上がらせ、スリットからは艶めかしい太腿を覗かせている。

「やっぱ…堪んねぇよなぁ………」

「あんなムチムチの体………生殺しだよな」

 また始まった。

 尻を左右に揺らして歩く後ろ姿は、確かに誘われているようにも見えるけど。

「バックからってのが良いんじゃねぇ」

「上に乗せて、下から揺れるデカパイを眺めるってのも………」

 二人の下衆い会話は留まる事を知らない。

 文句の一つや二つ言いたい処だけど、仕事も出来ない部下の立場からしたら口籠もるしかなかった。

 せめて、席だけでも替えて欲しい。

「あぁ、ちょっと………」

 下衆い会話を無理矢理聞かされていると、更に他の上司から呼ばれた。

 この二人の傍に居るよりは良い。

「は、はいっ」

 自席から飛び出すように席を立った。
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