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背徳のディスタンス
第5章 淫らな遊び

 望は自分の席につくなり、ちらりと奈々に目配せしてくる。
 意味ありげな視線。奈々がわざと顔を背けると、すっと体を寄せ、タイトスカートをめくり上げた。

「……っ!」

 とっさに大声をあげそうになってしまった奈々。社内だということを思い出し、どうにか踏みとどまる。

「ちゃんとつけてきてくれました?」

 すぐにおもちゃ付の下着のことだと理解できた。
 答えずにいると、さらにスカートを上までたくしあげられ、薄いブラックのタイツ越しにショーツのレースの部分が覗いた。

「いい子ですね。俺の言い付け守れて」
「いい子!?」

 六つも年下のくせに、その言い方は子供にいい聞かせるようなそれだった。
 馬鹿にされている。
 奈々はおもいきり、望を睨み付けた。

「そんな怖い顔しないでくださいよ。冗談ですって。どうです? えっちな下着に興奮しますか? これからされることを考えるだけで、堀内先輩濡れちゃうんじゃないですか?」

 小声で図星を突かれ、奈々は顔を真っ赤にする。望の言うように、すでに下着はびしょびしょだった。
 望は体を離しパソコンの前に戻ってから、わざとらしいほどの笑顔で言った。

「今日も一日よろしくお願いします」

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