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新月の闇 満月の光
第7章 ルビーとエメラルド

「えっ、だって真紘は彩花ん所の社員でしょ」


「だからこそ、ただ働きなんてさせないわよ」




義兄さんに、姉さん、貴方方の会話に目を白黒させている人がいるんですけど。


俺は、合坂を横目で見る。


まだ言い争いをしている2人を横目に、合坂が俺に言って来た。




「社員とか、マネージャーとかって……一体…… 」




そりゃ、其れだけ聞いたら疑問も出るだろう。


此処では知られてしまっている事だ。


言っても差し障りは無いだろうと、俺は判断して答えを出してやった。




「俺の本業。『シャングリラ』のスカウトマン兼、『Yume』のマネージャー。因みに、10年前は高校生してた」


「えっ、えっ! こっ、高校生っ!? 」



おい、そっちかよ。


合坂。


驚く所、違うだろう。


こいつ、天然かよ。


俺は、合坂の引っ掛かった部分に、逆に驚かされた。




「高校生であの色気って…………不公平だ……。俺なんてあんなに努力してんのに………… 」




合坂は、ぼそっと呟く。


100%独り言だろうが、聞こえている。


あれだけの濡れ場演じておいて、人を羨むって、どうよ。




「『mahiro』さん、俺に演技指導して下さいっ!! あの男の色香、俺、身に付けたいですっ!! 」


「ちょっと待てっ! 俺はド素人だ!! んなの、プロに頼め!! 」




俺の腕を掴んで懇願する合坂に、慌てる俺。


そして…………。


この会話を耳賢く聞いていたのが、言わずと知れたあの人。




「合坂~っ、時給、一万だ」


「乗ったーっ!! 」


「おいっ!! ちょっと待てっ!!! 」




三人三葉の言葉が舞った。

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