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第53章 最期

直樹と、別れて家に帰ると、14時だった


誠に電話してみる


詩織、どうしたの？


別に？

ジム行くわ

迎えに来なくても、行くから。。。？

ちゃんと、伝えたわよっ


詩織？待って？


何？


今、どこにいる？

仕事は、休んだのか？


休んだわ

家にいるけど？

何？テレビ電話にしたら、信じるわけ？


はあっ。。。怒るなよ？

まだ、機嫌悪い？


仕事は？


今は、大丈夫だから？

ちゃんと、話しよう？


何の話？

甘い匂いの女の話？


だから、誤解だろ？


知らないっ。。。

誠のバカ。。。

うっ。。。


泣き出してしまう私がいる


そのまま、電話を切る


鳴っている電話を無視する


勝手な女。。。

直樹の声が頭の中に聞こえる


本当。。。私は、勝手な女だ。。。


泣き疲れて、寝てしまう


陸に起こされて起きる


母さん？髪、どうしたの？


お父さんが切れって美容院に連れていったのよ。。。


何で？長い方がよかったのに？


お父さんに言って。。。？


ご飯は？


用意してあるわよ？

私は、ジムに行くから、気をつけて塾に行きなさいね？


ジム？？

母さん、ジムに行ってるの？？


蓮もお父さんも、行ってるわよ？


はあ？

俺だけ、のけものかよ？


塾に間に合わなくなるよ？

詳しくは蓮に聞いて？


ジムに出掛ける用意する

...


17時

ジムに行くと、直樹が電話してくる

駐車場から続く階段に呼び出される


ねぇ？暗いよ？


誰も通らないからな？

普通は、エレベーターを使うから、誰も来ないよ？

もうすぐ、来るはずだから待つよ？


30分くらい、抱きしめられて待っている


ねぇ？離れてよ？


ドキドキする？


耳を舐めながら聞いてくる


来たな。。。？

詩織は、ここにいて？


え？


一緒にいたら、バレるだろ？

俺達の関係が。。。

俺は、違う所から見てるから？


直樹が離れて、一人になる


静かな階段で息を潜める


足音が聞こえる


ねぇ？いいでしょう？


女の声が聞こえる

心がわしずかみされる


寂しいの。。。

抱きしめて？


ダメだって？

好きじゃない女は、抱きしめられないよ。。。？


誠の声がした。。。

体が固まる