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Vesica Pisces
第16章 太陽は静寂を憂う
一心不乱に唇と舌と手を動かす伽耶。

時々苦悶の表情をチラつかせながらも、その口淫は止むことはない。

じゅぼっ、じゅぶっとイヤラしい水音とともに、伽耶の口の端からは泡立った涎が垂れていた。

その淫らな伽耶を見ていると込み上げるものがある。

「…っ、か、やっ!マジ…でっ…!」

迫り来る射精感に、思わず腰を引く。

「ぃ、てっ…ちょ…ヤメろっ…!!」

強引に伽耶の肩を押し離した。

潤んだ瞳と紅潮した頬で、伽耶は何故と首を傾げていた。

「…出るって」

「ぃい、ぉ…」

「…その…口にじゃなくて…中、がいーかな…」

今日は伽耶の視線がどうも苦手だ。

『何人の女の子に中で出したの?』

「は?や、出してねーよ!!…ぁ、一人だけ…つっても、すげー昔の話!マジ、スポンサーとか付くか付かないかってぐらいの、時に…」

今なら若気の至りとか、無知すぎて、馬鹿すぎたってわかる。

「16くらいの時に、海外でたまたま会場に来てた女とヤって、半年くらい後にスポンサー契約するって時にその女から連絡があって、子供が出来たから契約料から幾らか払えってなった事があった」

周りが手を回してくれて、妊娠なんて嘘だと解って。

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