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Vesica Pisces
第4章 太陽は静寂を開く
“歩きスマホすんなよ”

“してません”

メールが来るたびに立ち止まってしまい、なかなか進まないけれど。

“不審者出たらどーすんの”

“防犯ベルもってます”

遠くに感じていた距離が縮むたび、初めて会った時のあのドキドキが蘇ってくる。

“もう家ですか?”

“とっくに”

ひっきりなしの着信もメールも今このやり取りをしている間は取っていないと思うとそれもまた嬉しい。

“私も着きました”

“じゃーおやすみ”

“おやすみなさい”

これでメールは終わりかと、お風呂に入る。

「何かいい事あったの?」

母に言われて思い当たる節があるけれど、曖昧に誤魔化して部屋に戻る。

メールの着信が表示されていて思わず駆け寄った。

“寝た?”

20分前のそれ。

“まだです、お風呂でした”

“風邪引くなよ”

“寝ないんですか?”

“連絡待ち”

時差のある場所からの折り返し待ちをしている透に付き合って、いつも寝る時間があっという間に過ぎていく。

“寝ていいから”

“もう寝ます”

“おやすみ”

“おやすみなさい”

“ほんとに寝ろよ?”

“ほんとに寝ますね、おやすみなさい”

何度も繰り返された会話が嬉しくて、スマホを握ったまま眠りに落ちていった。
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