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禁煙チュウ
第1章 はじまり
宮田さんは最後のお客さんが帰るなりカウンターの金魚鉢から飴を2つ掴みとって、包装をもどかしげに剥ぐとすぐに口に放り込んだ。
どかっとスツールに座って眉間にしわを寄せて、カラコロと飴を転がす。
暗めの照明の中で宮田さんの頬が不規則に膨らむのをこっそり盗み見て可愛いな、と思う。

「今日で何日目ですか?」
「あー? ちょうど一か月だな」
「頑張り時ですね」

ふん、と宮田さんは鼻を鳴らして
「石井って喫煙者じゃないだろ」
「まぁ、はい」
「じゃあ俺の苦しみはわかんないね」
「まぁ、そうですかね」

ぼんやりしたわたしの返事に、ぎゅ、と宮田さんの眉間のしわが深くなる。
ふふふ、とわたしは心の中で笑う。
宮田さんの不機嫌な顔好きですよ、と言ったらこの人はどんな反応をするんだろう。
からかうんじゃねぇ、とか言ってわたしを睨むだろうか。
意外に照れて黙ってしまったりするだろうか。

「換気しますか」
わたしはカウンターから出て店のドアを開けた。
ひんやりした風が入って来て、お客さんが残していったタバコの匂いが薄まっていく。
雑居ビルの三階にあるBar「ミズイロ」。
わたしはここでバイトをしている。宮田さんは一応、店長。

今年三十路を迎えるとかで、これを機に禁煙する! と店のお客さんの前で宣言したもんだからやっぱり嘘、とも言えず日々のイライラは頂点に達しつつある。

階段の下から吹きあがってくる風でドアベルがチリリンと鳴る。
振り返ると宮田さんがまた金魚鉢に手を伸ばすところだった。

この金魚鉢は常連のお客さんが宮田さんにプレゼントしたもので、口寂しい時はこれ食べな、と大量の飴やガムをその中に放り込んでいった。
でも最近は宮田さんの消費量が多くて、見るともうあと残り3つになっている。
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