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禁煙チュウ
第15章 ハッピー・エンド(?)
「どうかなー? 石井は結構意味わかんないからな。ヌケてるとこあるし」
むぅ、と石井は呻って黙った。

「あー! 外でイチャついてる!」
頭上から声がして見上げると、ビルの窓から立木さんと真中さんが覗いていた。
「ちょっと~おかわり下さぁい」
と真中さんが空のグラスを振って見せる。
「あーすんません! すぐ戻ります!」
石井のからおつかい袋を受け取って、二人でビルの階段を駆け上がった。

「あ! 来た! ちょっと~早くなれそめなれそめ」
店のドアを開けると早速真中さんが急かした。
スツールから足をブラブラさせて、結構酔いが回ってる感じだ。
横で立木さんが目で謝ってくる。

「あ~、えーとまずはおつかいものを片してですね……」
とカウンター内に戻る。

石井も戻って、「おかわりですね」と真中さんのグラスを持ち上げた。
「あ~いいのいいの、もう飲み過ぎだからこの人」
と立木さんがそれを止める。
「えーじゃあ最後! 最後の一杯にする!」
「も~、真中ちゃん明日もあるでしょうが~」
「なれそめ聞いたら帰るから! ねっ」
と真中さんは石井を見上げる。

「……じゃあ、酔いが醒めるような話を」
静かに石井が答える。
えっと思う間に石井は二人に告げた。

「宮田さんの禁煙が大変そうだったから、タバコを吸いたくなったらわたしとキスしましょうって、約束したんです」

シンとなる店内。
真中さんと立木さんは顔を見合わせた後バッと俺を見た。
真中さんの興味津々の視線が刺さる。
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