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第10章 はじめて　その３

頭の上から降ってくる石井の声は小さくて控えめで、どう反応していいか分らないけど漏れてしまう、そんな戸惑いを含んでいた。
震えた、熱っぽいため息。
俺の舌の動きに合わせて敏感に反応を返す。

体は燃えるように熱く、だけどさらさらして、これでもかと俺の欲情を煽る。
抗う力は弱々しくて、手で押さえると簡単に効力をなくす。
俺の体の下で石井が身をくねらせると、もっと、もっとと思う。

脳みそが煮えるような、だけどどこか冷静なような。
今すぐめちゃくちゃにしたいような、とことんまで溶かしたくなるような。
相反する感情が胸の中を目まぐるしく吹き荒れてどうにかなりそうだ。

「石井、気持ちいい？」
愛撫の合間に聞くと、石井は「ンン……」と呻った。
微かに首を縦に振る。

もっと、もっと。

舌の腹で硬く尖った乳首を転がす。
コロコロとした感触を楽しみながら、もう片方の手で柔らかさを堪能する。
あぁ、触ってるだけで気持ちいいなんて。

「んん、ふぅっ、あぁん……っ」
舌で絡め取った突起をちゅぅっと強く吸うと石井が体をビクつかせた。
のけ反る体を抑え込んで、吸い付きながら舌でチロチロとくすぐる。
「やぁ、あっあんんっ」
石井の声が鋭くなる。

これ好きっぽい。もう片方の先端にも吸い付いて同じようにすると、
「んーっ、ぁっ、あ……っ！」
と声を震わせて体をこわばらせた。
ビク、ビクと小刻みに肩が揺れる。

はぁはぁと息をつき、くたりと力を抜く。
あれ？