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恋はいつでも平行線【完結】
第20章 *二十*
諦めろって言われても、あのね、青ってほんと、臣哉とはまた違ったイケメンで、こんなのにべたべたされたらいろいろと誤解を生むと思うのですよ!
それに、青が人ではないと分かっていても、わたしの心臓は、まるで恋をしているかのように、どきどきするのですよ!
「虫除けになってちょうどいいですね」
と、雪さんはいい笑顔で、そんなことを言ってくれた。
「安定するまで、柚希さまの蜜を、青が毎日、直接いただくかと思いますが、許してくださいね?」
え、え、えぇっ?
「安定するまでって……どれくらい」
「それは、青が満足するまでとしか」
……ちょっと待って!
臣哉の魔の手から逃れるために実家に来たのに、こっちはこっちでまた別のに絡まれるって、なにこれ、呪いの腕輪のせいですかっ?
くっそー、臣哉のヤツ、覚えていろよ?
恨みがましく左腕に視線を向ければ、青も気がついたようで、そちらを見た。
「それ、邪魔」
青はそれだけ言うと、わたしの左手首にはまった金のブレスレットに触れたかと思ったら、しゅうしゅうと音がして、ブレスレットからはか弱い『ひぃぃぃぃ』という声をあげて、あっという間に溶けてなくなった。
なにこのあっさりな結末。
と同時に、ずきずきと痛んでいた手首の痛みがきれいさっぱりなくなった。
「これでようやく、二人だね」
いや、雪さんもいるし!
と思って周りを見ると、雪さんはいつの間にか、いなくなっていた。
「ね、柚希。柚希の蜜、たくさんちょうだい?」
青はそう言うと、わたしを抱えて、先ほどまで寝ていた部屋へと逆戻りとなった。