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恋はいつでも平行線【完結】
第21章 *二十一*
 青はそういうと、身体を起こし、わたしも一緒に起こされた。
 そればかりか、なぜか青はわたしをお姫様だっこすると、部屋から出た。

「やっ、青! 怖いから!」
「大丈夫、柚希が暴れたりしないで大人しくしてたら、落とさないよ」
「自分で歩けるから!」
「んー、無理だと思うよー? 柚希、むちゃくちゃ腰振ってたもん。足腰、立たないんじゃないかなあ?」

 なんてことを言うのよ!
 いや、そもそも、それはだれのせいよ!

「雪にヤられたときも、気持ちよかった?」
「……は?」
「柚希は快楽に弱すぎるよ。あんな風に求められたら、止められないよ」
「それはっ!」
「あの、臣哉とかいう男と俺、どっちがキモチイイ?」

 廊下を歩きながら、青は耳元でそんなことを聞いてきた。
 ここはどうやら、祖母の奥院のようだとようやく気がついたのだけど、それでも、なんてことを聞いてくるのよ!

「俺、どんなにがんばっても、柚希を孕ませられないから、俺の方が分が悪いよね」

 なにを言ってるんだろう、青は。

「柚希のことを考えたら、心臓なんてないのに、どきどきするんだ」

 切ない青の声に、胸が締め付けられた。
 でもそれはきっと、わたしの感情をトレースしているだけだと思う。
 だって青は、雪さん曰く、わたしの蜜を糧にして産まれたのだから。

 でも、なんと言えばいいのか分からなくて、わたしは無言を返すことしかできなかった。



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