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恋はいつでも平行線【完結】
第21章 *二十一*
 青はそう言って、わたしの手首に触れてきたのだけど……。

「青っ! 痛いっ!」

 そっと触れただけのはずだけど、痛すぎて、悲鳴が上がった。
 わたしの悲鳴に、青はすぐに手を引っ込めてくれた。

 それにしてもこれ、手首に筋状に痣がついて、ひどい。
 なんでこんなことに……?

 とそこで、気がついた。
 夢の中だと思われるのだけど、手首を捻りあげられた。
 痛いのを我慢して、手首を回してみると……。

「っ!」

 筋状の痣と思ったモノは、指の形をしていた。
 もしかしなくてもこれ、あのブレスレットの最初の持ち主の、指の痕?

 そう考えたら、ぞっとした。

「ね、これっ」
「柚希、痛い?」

 心配そうな青の声に、恐怖が少しだけ遠のいたけれど、左手首を見たら、また怖くなった。

「あのブレスレットの主の、指の痕、じゃ、ないかな」
「そうだとしたら、俺、赦せない」

 赦せないって言うけど、でも、青はあの人、消しちゃったんじゃないの?

「柚希、探すよ」
「……探す?」
「俺の柚希にこんな痕を残すなんて、あの女、赦さない!」
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