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恋はいつでも平行線【完結】
第22章 *二十二*
 青は迷わぬ足取りで、祖母の部屋にたどり着いた。

「おばあさま」
「ゆずか。青とやらと一緒に入れ」

 雪さんから報告がいっていたのだろう、そう言われて、青はふすまを開け、部屋へと入った。
 青にお姫様だっこされた状況で入ってきたのを見て、祖母は目を丸くした後、声を上げて笑った。
 大変、恥ずかしいです。

 祖母はひとしきり笑った後、わたしたちに座るように促してきた。
 前に祖母の部屋に来たときも思ったけれど、畳の敷かれたこの部屋には、祖母の愛用している座卓と脇息以外、なにもない。

「雪から一通り、聞いておる。しかし、おまえもまあ、妙なモノに好かれるよのぉ」
「……はい」
「春菜は魔を寄せ付けぬが、おまえは魔を寄せる」

 それは、幼い頃から祖母によく言われた言葉。

「俺は魔じゃないぞ」

 と青は反論するけれど、いやいや、あんたのあれ、充分に魔だよ!

「神も魔も、表裏一体。人間からしてみれば、さほど変わらん」
「まー、そうかもね」
「まあ、そう警戒せずとも、こんな老いぼれはなにもできん。立たれたままだと、落ち着かないからとりあえず座れ」

 祖母の言葉に、青はわたしを抱えたまま、畳の上に胡座をかいて、わたしはその上に、当たり前のように座らされた。

「あの、青。降ろして」
「やだ」
「ゆず、無理な相談だ。見た目は青年だが、それはまだ産まれたばかりゆえ、幼い。おまえに触れてないと、不安になるそうだ」
「……そういうものなの?」
「そういうものだ。雪も最初、わしにしがみついて、離れなかった」

 雪さんはやはり、祖母が現役の頃からいたようだ。

「しばしば蜜をねだってくるが、恥ずかしがらずに与えてやるといい」
「……はい」
「人では得られない、快楽を与えてくれる。それは、巫女としての特権。存分に感じるといい」

 祖母はそういうと、おかしそうに笑った。

「なぁに、処女性など、求めはしない。神田家の巫女の本質は、快楽を得て、それにより魔を魅了して、鎮めるもの。蜜はその副産品。
 御神酒に混ぜ、蒸発するときに空気に拡散させて、浄めるもの」
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