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恋はいつでも平行線【完結】
第22章 *二十二*
それは昔にも聞いたことのある話だった。
でも、未だに実感が沸かなくて、ずっと疑問に思っていることだ。
「ココしばらく、ざわめいていた魔が、おまえが来てから、静まった」
祖母はどうやら、その手のモノが見えるらしい。
わたしは気配も感じないし、見えもしない。
「秋祭りまで、あとわずか。ゆず、しばらく滞在すればいい」
言われてみれば、そうだった。
「敬人から、連絡が入った。腕輪の持ち主がもう少しで判明しそうだから、しばらく待てと」
言われて、そういえば、そのためにここに来たことを思い出した。
「それにしても、おまえは厄介なモノに好かれるな」
祖母はそういって、わたしの後ろにいる青を見た。
「厄介だなんて、心外だな」
「雪は神田家に仕えているが、おまえはゆずにだけではないか。その執着心はどこから来ている?」
「んー、そだねー。柚希の蜜は甘いし、美味しいからじゃないかな」
雪さんも似たようなことを言っていた。
「雪だって、本当はこうしたがってるよ?」
「そうだとしても、自制しているではないか」
「違うよー。俺からちょろまかしてるから」
「……なるほど」
青と祖母の会話の半分もついていけてないのだけど、今、わたしのことを話してるのよね?
「おまえたちは水。繋がっている、か」
「うん、そう」
でも、未だに実感が沸かなくて、ずっと疑問に思っていることだ。
「ココしばらく、ざわめいていた魔が、おまえが来てから、静まった」
祖母はどうやら、その手のモノが見えるらしい。
わたしは気配も感じないし、見えもしない。
「秋祭りまで、あとわずか。ゆず、しばらく滞在すればいい」
言われてみれば、そうだった。
「敬人から、連絡が入った。腕輪の持ち主がもう少しで判明しそうだから、しばらく待てと」
言われて、そういえば、そのためにここに来たことを思い出した。
「それにしても、おまえは厄介なモノに好かれるな」
祖母はそういって、わたしの後ろにいる青を見た。
「厄介だなんて、心外だな」
「雪は神田家に仕えているが、おまえはゆずにだけではないか。その執着心はどこから来ている?」
「んー、そだねー。柚希の蜜は甘いし、美味しいからじゃないかな」
雪さんも似たようなことを言っていた。
「雪だって、本当はこうしたがってるよ?」
「そうだとしても、自制しているではないか」
「違うよー。俺からちょろまかしてるから」
「……なるほど」
青と祖母の会話の半分もついていけてないのだけど、今、わたしのことを話してるのよね?
「おまえたちは水。繋がっている、か」
「うん、そう」