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恋はいつでも平行線【完結】
第23章 *二十三*
 青はしまったという顔をしたけれど、わたしは見逃さなかった。

「青?」

 青の肩をぐっと押さえると、青はものすごく動揺していたからなのか、簡単に畳の上に押し倒された。
 わたしは青の上にのしかかり、肩を押さえて聞く。

「どういうことか、説明しなさい」
「え、いやっ。せ、説明もなにも、そのまんまだよ! 俺たち水は、本当はもっと、神田家の人たちの役に立ちたいんだよ! でも、雪を実体化させるのが精一杯で、他の水たちは見ていることしかできなくて。だけど! 柚希の蜜はそれだけ力があって、ようやく俺もこうして直接、柚希に触れられるようになって……その、嬉しくて……」

 それだけではないと思ったので、さらにじっと見つめると、青は観念したように続けた。

「神田家の人たち、みんなガードが堅くて、御神酒に混ぜられた蜜くらいしか手に入れられなくて……」

 ちょっと待って。
 雪さんにされたことや、青にされたことって、え、もしかしなくても、わたしだけっ?

「柚希はなんか、そういうのが緩いというか、快楽に弱すぎるよ」
「だって、おばあさま!」

 そうよ、雪さんも、祖母も、蜜が云々って言ってたよね?
 え、あれって嘘だったのっ?

「普通なら、雪や俺にべたべたひっつかれたら、離れるように促すよね?」
「……う、うん?」
「でも、柚希はひっつかれても嫌がらないし、べたべたしても拒否しないよね」
「え……いや。嫌……なんだけど、その……」
「別に嫌なら嫌って拒否しないと。別にそれをしたからって、俺たちが神田家の人たちを嫌うことなんてないし」

 えー……。
 もしかしなくても、放っておけば満足して離れるからいいやって考えがいけなかったってこと?
 でも、臣哉に対しては抵抗……した、……よ、ね?

「柚希は一番、神田家の人間だよね」
「え、それ、どういうこと?」
「神田家の巫女たる使命を一番よく分かってる」
「だって、おばあさまにずっと言われてたし……。それに、その、今は職務放棄してきちゃったけど、あそこの骨董……」
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