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恋はいつでも平行線【完結】
第19章 *十九*
頭がぼんやりする。
だけど、どこかすっきりした気分なのは、どうしてだろう。
「柚希さま」
耳元で雪さんの声がして、今までなにをされていたのか思い出した。
だから慌てて身体を起こそうとしたのだけど、力が抜けて、無理だった。
「そのまま横になっていてください。すぐに食事をお持ちしますので」
薄目を開けて声がする方を向けば、そこにはわたしが知っている雪さんがいた。
上半身が膜の中に入った水のような怪しげな見た目に見えたのは、見間違いだったのだろうか。
雪さんはわたしの視線に気がついたのか、にっこりと笑みを浮かべた。
「お食事の後、お話します」
それだけ告げると、いつ見ても綺麗な黒髪をなびかせて、部屋を出て行った。
とそこで、おかしなことに気がついた。
そういえば、雪さんの見た目、わたしの記憶に残っている頃からまったく変わっていない。
それって今の今まで不思議に思わなかったけど、おかしくない?
わたしが幼い頃から……いや、話を聞く限りでは、どうやら祖母の代から、もしかしたらそれ以前から、雪さんは神田家にいたみたいなことを聞いたことがある。
さすがにそれはおかしいと思ったし、雪さんに直接、聞いたことがある。その時、雪さんは困った顔をしたものの、雪さんの一族はずっと、神田家に仕えているみたいなことを言っていたから、てっきり、祖母にも、その前の人たちにも雪さんの一族が仕えていたのだと思ったのだけど……。
でも、一族と言う割には雪さん以外に会ったことないし、雪さんはいつも母の側にいた。
一族の人たちと盆や正月を過ごすこともないようだ。
ということは……?
考えたけれど分からなくて、雪さんが食事を持って現れたのもあり、一度、考えるのを止めた。
だけど、どこかすっきりした気分なのは、どうしてだろう。
「柚希さま」
耳元で雪さんの声がして、今までなにをされていたのか思い出した。
だから慌てて身体を起こそうとしたのだけど、力が抜けて、無理だった。
「そのまま横になっていてください。すぐに食事をお持ちしますので」
薄目を開けて声がする方を向けば、そこにはわたしが知っている雪さんがいた。
上半身が膜の中に入った水のような怪しげな見た目に見えたのは、見間違いだったのだろうか。
雪さんはわたしの視線に気がついたのか、にっこりと笑みを浮かべた。
「お食事の後、お話します」
それだけ告げると、いつ見ても綺麗な黒髪をなびかせて、部屋を出て行った。
とそこで、おかしなことに気がついた。
そういえば、雪さんの見た目、わたしの記憶に残っている頃からまったく変わっていない。
それって今の今まで不思議に思わなかったけど、おかしくない?
わたしが幼い頃から……いや、話を聞く限りでは、どうやら祖母の代から、もしかしたらそれ以前から、雪さんは神田家にいたみたいなことを聞いたことがある。
さすがにそれはおかしいと思ったし、雪さんに直接、聞いたことがある。その時、雪さんは困った顔をしたものの、雪さんの一族はずっと、神田家に仕えているみたいなことを言っていたから、てっきり、祖母にも、その前の人たちにも雪さんの一族が仕えていたのだと思ったのだけど……。
でも、一族と言う割には雪さん以外に会ったことないし、雪さんはいつも母の側にいた。
一族の人たちと盆や正月を過ごすこともないようだ。
ということは……?
考えたけれど分からなくて、雪さんが食事を持って現れたのもあり、一度、考えるのを止めた。