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セックスレス・快感と安息を求めて-
第9章 旦那の幼なじみ・伊藤俊雄



嘘は一切言って無い…
全て本当の事。



「オヤジが言ったんだ好きにしろ‥と…」

「だが、俺が行った頃にはあったよな?」


確かに伊藤さんは、一度だけ家に来た事がある…
それも、付き合い始めて間もない頃に。



「・・・
あれもオヤジにけしかけられた・・・誘えって・・・」

「秀めが……」


オヤジに言われて、伊藤さんを誘う素振りは‥した…
伊藤さんは、それに乗らなかったけど。



「アイツそんな事を考えていたのか!?
というか、鞠それで良いのか!?」

「そっち以外は馬は合うよ…
時々、向こうの一方的な喧嘩になる事もあるけど……
それにオヤジの所以外行き場所も無い」


実家にも帰れない私は、他に行く場所が見付からない…
体調不良の今、仕事を見付けてオヤジから離れる事も出来ない。


結局、オヤジから離れられない私、だからこそ此処まで不安定にもなる。



「・・・
もう少し自分を大事にしたらどうだ?」

「・・・
その方法が分からない…
私はただ心も身体も安定が欲しいだけ、だけど病気がある限り働く事も出来ないよ」

「ちょっとこっち来い」

「??」


逆らう気も起きなく、大きなテーブルを回って、伊藤さんの隣に……



「お前な、こんな事してまで安定も何も無いだろう」


両腕を捲られ、はっきり分かるリストカット擬きの痕。


でも、これをしないと自分で自分が保てなくなる時がある…
一度、過呼吸過ぎて救急車で運ばれてから、回数が爆発的に増えたのは確か。



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