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Blue Roses〜2度目の恋 最後の愛〜
第2章 狭く冷たい星空
理紗は足早にコンサートホールを後にした。イヴァンはマネージャーとの打ち合わせや、来客の対応、そして打ち上げがあるのでコンサートの後は決まって帰宅が深夜になった。

春先とはいえ、4月のニューヨークはまだ肌寒い。

…コートを持って来て良かったわ。

理紗は頼りない薄手のコートで身体をしっかりと包み自らを抱きしめるように二の腕を擦りながら早足で通りを歩いた。

大きな道路を渡り少し歩けばタクシーは捕まる。随分前にコンサートも終わり、辺りは閑散としていた。

――― コツコツコツ。

理紗のヒールの音だけが、通りに響く。引き延ばされ前方に伸びた影が、理紗と競うように動くので、ついつい歩くスピードも速くなった。向こうから歩いて来た数人の若者が理紗の姿を見て通りすがりに口笛を吹いた。

「お嬢さん俺達と一緒に飲まない?」「気持ち良いコトしようよ。」

パーティーバッグをしっかりと抱えながら、無視してタクシー乗り場のある通りへと向かった。出来るだけ明るい街灯の下を歩いた。あと路地を数本通り過ぎれば、タクシー乗り場だ。

「きゃっ。」

突然、理紗は太い腕に暗い路地裏へと引き摺り込まれた。

「へへへ…静かにしてればすぐ終わるからね。」

先ほど通り過ぎた若者達だった。

「いやぁっ!!お金ならあげるわだから放して頂戴っ!!」

理紗の両手両足はがっちりと抑えつけられ、ドレスのスリットを乱暴に開いた。

「ははは…勿論金も頂くさ。」

――― ビリリッ。

引き裂かれたスリットの下には先ほどまでイヴァンに愛されて乾ききっていない秘部が露出した。

「うへぇ。マジかよ。こいつ痴女じゃね?下なぁんも履いてねーぜ?」

大学生と思われる大柄の4人組だった。

「やった♪ラッキー脱がせる手間なく突っ込めるなんてさ。」

男はいやらしい笑いを浮かべた。

「やめてぇー!!誰か助け…てぇー!!」

――― バチンッ。

「大きな声を出すんじゃねぇよ。ビッチ。」

大きな手で頬を叩かれ、目の前がチカチカとした。

――― バチンッ。

再び頬を叩かれると、口の中にじわじわと血の味が広がった。
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