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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第11章 早乙女会長のお嬢様



安心すると言ったきり、動かない美紀…
やはりこの話は、美紀を不安にさせてしまったのだろうか??


肩に感じる美紀のぬくもり…
安心‥私も美紀のぬくもりに安心している‥此処に居るのだと……


米国留学と屋敷を出てからもう1年以上…
私の予想を遥かに超え、米国政府に認められるまでに成長した美紀、米国の方は心配無いだろう、国家の威信を賭けて美紀を守る。


問題はこちら側、早乙女美紀として最大限のガード配置をしたつもりだが、相手は欲深い連中だ、この客船という閉鎖された空間で、どんな手を使ってくるか完全には読めない。


分かっている人物には、屋敷や本社から人員を駆り出し張り付かせてはいる、問題はその他‥立場をはっきりさせていない方。


1年以上前に美紀の事は通達済みだが、早乙女全体が納得している訳でも無し‥逆に娘という事で、裏で余計な事を考えている外戚だとて……



「・・・・・」


今の美紀の立場は危うい……


私が独身で、後継者が居ないと思い込んでいたのが、いきなりの後継者候補としての早乙女入り‥しかも本家筋でただ1人。


恵美里叔母の息子が一番の有力候補と目されていたが、遠藤の方がそれを嫌い、早乙女とは全く関係の無い外交官という仕事に付いた。


そして朔夜叔父には子供は無く、今の最有力候補は美紀という事になってしまう…
だからこそ、美紀に目を付ける外戚や他財閥は数多い‥‥早乙女の後継者候補を狙って……


私が動かない以上、美紀に目がいくのは分かり切っていた話、だから朔夜叔父を後見人として巻き込み、伊織のエスコート。


外戚という立場から言えば、伊織は限りなく本家筋に近い…
今回は美紀を守る為に、恵美里叔母には話済み、前会長の長女の孫‥不服が出るような立場でも無いのが伊織だ。


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